リトアニアのスタートアップが集まる場 ― Startups In Lithuania & Vilnius Tech Park

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リトアニアにおいて、スタートアップのハブ的機能を担っているのがStartups In Lithuaniaです。イベント情報スタートアップ状況など、様々な情報が集約されています。同サイトを運営するのはEnterprise Lithuania(リトアニア政府の経済省が運営するNPO)のプロジェクトチーム。今回、プロジェクトマネージャーを務めるRimante Ribaciauskaite(中央)、Raminta Kaleinikaite(右)、Ugnius Zasimauskas(左)ら3名に、同国スタートアップ環境の概要を聞いた。

問:リトアニア国内で、IT産業に関わっている人々はどの位いるのでしょうか?

答:まず、リトアニア全体の人口は295万人で、労働人口は150万人、その内IT業界に従事している人々は2万6000人ほどですね。国内には7つの大学と14のカレッジがあり、IT専攻の学生は7150人です。なお、若い世代のほぼ100%が英語を流暢に話せるだけでなく、その約半数が第2外国語(ロシア語や北欧言語)もしっかり使いこなせます。

問:どのような背景の起業家が多いのですか?また、投資環境はいかがでしょうか?

答:年齢でいえば下は18歳から上は47歳、平均年齢は31歳程度で推移しています。起業家の87%以上が大卒で、研究職出身はその内5人に1人程度です。また、2014年にリトアニアのスタートアップが調達した合計額は4600万ユーロです。ただ、その内の2000万ユーロをVintedが、2100万ユーロをYPlanが構成しているため、現在は特定の会社に集中している状況です。

問:VintedやYPlanに続く、次の世代ではどのようなスタートアップが台頭してきていますか?

答:3Dモデルのマーケットプレイスを運営するCG Traderは、2015年5月にエストニアで開催されたスタートアップの祭典Latitude59で優勝しています。ピッチコンテストの最終チームには、スタートアップが活況なアメリカ・フィンランドからの参加者もいましたが、彼らのビジネスモデル・ビジョンが評価された形です。CG Traderのニュースは、リトアニア国内の後輩スタートアップにとても良い影響を与えるでしょう。

問:スタートアップの多くが首都ビリニュスに本社を構えているのですか?

答:はい、全体の73%がビリニュスですね。ビリニュスは、「世界のスマートシティBest10(CNN)」や「EU内で通信速度が速い都市Best7(Ookla Net Index)」に選ばれる評価を頂いています。しかし、この都市内でビジネスを完結させているわけではありません。リトアニアスタートアップの約半数が、創業段階から海外のどこかしらの会社と協業しています。

問:市街中心部における、オフィスの供給量は足りていますか?

答:現在、スタートアップ向けのオフィススペースは約400社分に留まっています。しかし、2015年中には、新たに220社分のスペースを確保したい考えです。

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問:大型のコワーキングスペースなど、具体的な計画が何かあるのですか?

答:はい、中心プロジェクトはVilnius Tech Parkですね。スタートアップ、クリエイター、投資家、メンターらが一つ屋根の下に集まる場にしたいと考えています。敷地面積は8000平方メートルを誇り、コワーキングスペースやカフェテリアはもちろん、宿泊施設も併設します。もう完成間近でして、2016年初頭のオープンを予定しています。

問:リトアニアにおける生活コスト・税率はどの程度でしょうか?

答:NYCを100とした場合、食料費は52.44、住宅費は17.13、消費者物価指数は60.50となります。EU内でも、生活コストは非常に割安です。(税率については下記参照)

TAX COMPARISONLTRULVEEPLCZUKDE
Corporate profit tax0-15%20%15%21%19%19%21%29.58%
VAT21% 18% 21% 20% 23% 21% 20%19% 
Dividends(withholding tax)0-15%0-15% 0%  /0-19%  0-35%0%  0-25%
Personal income tax15% <20% 24% 21% <32% 15% <45% <45%
Social security tax (by employee)9% 8.2% 10.5% 2%35%  2-12% 2.16% 20.48%
Social security tax (by employer)30.98% 0-14.1% 23.59% 33%35% 13.8% 6.05% 19.58% 

問:最後に、リトアニアに拠点を置く利点を改めて教えて頂けますか?

答:1つ目は、最新のビジネス環境に則って法規制を心がけている点です。2つ目は、投資家の権利を重んじている点です。3つ目は、起業が容易な点(起業コストは2500ユーロ程)です。4つ目は、創業したてのスタートアップへは大きな減税をしている点(年間収入が30万ユーロ以下、従業員が10名以下であれば法人所得税は5%)です。5つ目は、R&Dについては別途魅力的な税率プランを用意している点です。6つ目は、訴訟手続きが迅速な点(北欧で6ヶ月掛かる案件であればリトアニアでは3ヶ月で済む)です。7つ目は、ビジネス全体の透明性を徹底している点です。ぜひ一度足を運んでみてください。

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