ドローンによる空中輸送システムMatternet、道路未整備の開発途上国で生活必需品・医薬品を運ぶ!

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アマゾンを筆頭に、ドローンによる輸送システムが現実味を帯びてきました。現在は連邦航空局(FAA)による規制が最大の壁となっていますが、2015年9月まで(FAA が枠組みを策定するまでの間、米国内の商用ドローン利用が禁止されているが、これは期限付きである)には方向性が明確になるはずです。そんな中、Matternetは2012年より、中南米のドミニカ共和国とハイチ共和国においてドローンの物資輸送実験を行っています。


人類の歴史において、道路は大きな役割を担ってきました。自動車・道路という交通・輸送システムが完成した先進国・都市部においては、物資やヒトが行き交い、経済が結びついています。しかし、道路建設は安くありません。1mの舗装道路をつくるのに、約5000ドル掛かります。

一方、世界の10億人は舗装道路のない環境で暮らしています。そのため、生活必需品や医療品を安定的に手に入れられず、経済から切り離されています。そこでMatternetは、“まだ道路のない地域”に特化して、ドローンを活用した輸送システム構築へ挑戦しています。同社CEOのAndreas Raptopoulosはこう語ります。

「この事業のポイントは、ドローン、全自動の地上基地、ネットワーク構成の3つです。ドローンは猛暑や極寒、強風に耐える仕様にしており、1台3000ドル掛かりますが、この費用はどんどん下がっています」


同社では、長距離輸送(2地点区間:上画像)ではなく、複数回の短距離輸送(バケツリレー方式:下画像)を目指しています。


ドローンは10km間隔ごとに立てられた専用基地で荷物を受け渡していきます。この専用基地では、電池交換、ドローン間の荷物受渡しなどを行い、作業を終えると再び空へ飛び立ちます。


このようにして、広範囲の輸送をほぼ全自動で行う計画です。Gustav Borgefalk氏は、その概略図を「まさにモノをやりとりするインターネットであり、物資の輸送ネットワークだ」と語ります。


現在、荷物の制限重量は2kgほど。Matternetのドローンは、この小型荷物を15分ほどで10km運べますが、掛かる費用はたった24セントという低コストです。(本体3セント、バッテリー9セント、基地10セント、エネルギー2セント)これまでMatternetは、Yammer CTOのAdam Pisoniらから資金調達をしてきており、制限重量を5年以内に50〜100kg、10年以内に200〜1000kgまで向上させる予定です。

ドローンによる物資輸送は、都心部だと法律の問題が大きく立ちはだかります。むしろ、インフラ投資額や環境への影響を確実に低く抑えられる“開発途上国の空”を飛び交う日の方が、早く訪れるかもしれませんね。

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