3Dプリンタで銃器を作るDefense Distributed、オバマ政権はどう判断するか?

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M16の愛好家が2012年7月、市販の22口径拳銃キットと3Dプリンタでの自作部品を組み合わせて、M16を製作しました。これが、個人の手による世界初の3Dプリント銃器とされています。3Dプリンタで製作されたのは、マガジンやトリガーを含む機関部分(レシーバー)ですが、200発を超える射撃に耐えました。さらに彼は、ネット上で3Dデータを公開し、3Dプリンタがあれば誰でも製造できるようにしました。


これを端に発して、アメリカ内で3Dプリント銃器の製作・共有コミュニティが発足しています。代表的なのは、Cody Wilson(上写真:なんと法律を学ぶ24歳)らが立ち上げた非営利団体「Defense Distributed」の「Wiki Weapon Project」です。これは、製作した3Dプリント銃器の CAD データ配信を行う、銃器周りのオープンソースプロジェクトです。動画を時系列に見てみると、製作した3Dプリント銃器の精度がどんどん向上しているのがわかります。

①2012/12/02公開

 


②2012/12/19公開

 


③2012/12/26公開

 


④2013/02/26公開

 


当初の動画では、3Dプリントパーツが耐えられずに5~6発目で壊れていますが、最新の動画では、100発を超える連射をしているのが分かります。現在は銃床部分周りの設計に注力していますが、2013年2月時点でファイルが250万回程ダウンロードされました。ロシアやスペインからのアクセスが多かったようです。

ただもちろん、様々な議論を巻き起こしています。まず、米国の銃規制法では銃床部分だけでも銃器と見なされており、市販品には個別にシリアル番号が印刷されて管理されているためです。3Dプリンタ企業も銃器製造の方向性をよく思っておらず、Stratasysがプリンタ自体の差し押さえへ動いたり、Makerbotが武器製造についての規制を宣言しています。


最近、アメリカではサンディフック小学校などの銃乱射事件が増えており、これを受けてオバマ政権からは、銃器の規制強化についての発言が目立つ様になりました。Joe Biden米副大統領は、「自衛に、自動小銃等の連射式攻撃用銃器は必要ない」と発言。民主党の下院議員であるSteve Israelは、Defense Distributedを名指しして「弾倉を家でプリントできるようになれば、銃規制は効力をほとんど失う。3Dプリントは有望な新技術ですが、新しいガイドラインも必要」と言っています。Cody Wilsonはこれらの規制強化を受けて、しばらく活動拠点をヨーロッパに移すようですね。

Barack Obama米大統領は先日の一般教書演説で、銃規制強化に向けた法案採決への意欲を力強く発言しました。その一方、同じ一般教書演説の中で3Dプリンタに触れ、「製造業ハブを立ち上げていく」考えを明らかにしました。

こちら”が一般教書演説の全文で、下記が演説の動画です。
3Dプリンタについては15:30、銃については52:00のあたりですね。

 

 

この辺りは色々と動きがありそうなので、また続編を書いていきます。
それでは〜:D
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